店舗のオフィスワーク時間を短縮し、コア業務の時間を確保する
はじめに
今回は限られた勤務時間の中で、「オフィス作業を軽減し接客や施策の検討時間などコア業務にリソースを投資したい」という方のヒントになればと、記事を作成いたしました。是非皆さんの現状と共に見比べて頂き、考えるきっかけにしていただければと思います。
オフィスワーク(データ分析や集計などの作業時間)は短縮し、接客時間へ還元するべき
コロナが明け、生活が戻り、来店者数も回復傾向かと思います。事実、当社のStore360モニタリング店舗では以下のようなデータが取得できています。
とはいえ買い物の仕方は以前のように「安ければ買う」「好みだから買う」ではなく、「本当に自分に合うのか?」「手持ちのものと使いまわせるか?」「私にとってこれは必要か?」など吟味し購入するという傾向に変化はありません。
そのため、店舗では今まで以上にお客様との会話の時間を持ち〈商品の魅力〉を伝える時間が必要です。しかし、店長や副店長はブランド内での自店の状況や、他社競合との比較、自店のKPIでの強み弱みを理解した戦略を立てる時間は必ず必要です。その為に必要なのは環境整備とPDCAサイクルを持つことの2つだと考えています。
データの環境整備
データの環境整備は主に本社側のミッションであることが多いと思います。データをできる限りまとめて格納するという事は自体、少なくない負荷が掛かります。いくつもファイルを開かなくてはいけないような状態と、一つのファイルで9割網羅されている状況では、かかる時間が大きく変わります。 店舗では自店だけではなく、比較店舗の分析も行うことが多いかと思います。このような分析すべき店舗が多ければ多いほど物理的に時間がかかってしまう傾向にあります。店舗の売上を最大化させるための”分析”という業務はタイムリーな店舗側との連携対応が必要不可欠です。分析やデータ整備に時間がかかってしまうと現場からすれば『今そのデータが分かっても遅い』というような状況になりかねません。
具体的には、例えば売上関連のデータとトラフィックデータが別々で管理されていたり、会員の売上データが独立してしまっているケースがあります。このような場合データの統合や整理に時間が掛かってしまいます。その分コア業務に割けるリソースは失われてしまいます。そのため、データを一気通貫させる事が重要です。
理想的なデータの環境整備は、店舗側の方々がコア業務に専念できるように分析やデータ整理のタスクをタイムリーにこなし店舗への共有をするということになりますが、本部側の工数にも限界があると思います。自動分析機能が搭載されているBIツールなどの活用が求められるでしょう。
PDCAサイクルをルーティーン化
次にPDCAサイクルをルーティーン化させることが重要です。分析のため時間や数字をみる時間は店舗側にも必要不可欠です。しかし、本質的には何も生み出さない分析時間が発生している場合が多いのではないでしょうか。無暗にデータの分析結果、数値を見ても時間がかかるだけです。
定量的な KPI設定とそのKPI達成に向けた戦略や施策、アクションを販売員の知識や市場の動向を加味した定性的に明確化し実行する事が大切です。また、この工程を毎週のルーティーンにしていく事で、より数値の動向が理解できます。ルーティン化ができれば時間が経つごとに戦略や施策、販売員のアクションは磨かれていきます。
まとめ
ポイント
・(本社)データの環境整備
・(店舗)PDCAサイクルをルーティン化
来店回帰の動きが活発になればなるほど、店舗の売上回復も期待できます。しかし、安ければ買う時代は終わりつつあります。消費者の方々はオンラインとオフラインを駆使し、商品を見極め購入に至ります。その為、店舗では接客にかける時間の捻出がより重要になってきています。分析や戦略は必要不可欠ですが、データ管理やデータ分析の効率化を図り、是非お客様へ〈ブランドのカルチャー〉や〈商品の良さ〉を伝える時間に還元してみてはいかがでしょうか。