顧客体験(CX)を考える上で大切な「消費者の購買行動モデル」とは
目次[非表示]
- 1.購買行動とは...
- 2.①AIDMA(アイドマ)
- 3.②AISAS(アイサス)
- 4.③VISAS(ヴィサス)
- 5.④DECAX(デキャックス)
- 6.まとめ
今回は、昨今重要視されている消費者の顧客体験(CX)を考える上で大切な「消費者の購買行動モデル」についてご紹介いたします。体系的に既に様々な考え方やフレームワークが出回っていますので今回は情報を整理するという立ち位置の記事にできればと考えております。
購買行動とは...
購買行動とは、消費者が商品やサービスを購入する際に取る行動を指します。
消費者が一つの商品やサービスを知ってから実際の購入に至るまでには、一定の心理状態や行動を経ています。
その一連の流れが分析され、さまざまなモデルとして提唱されています。
これが一般に「購買行動モデル」と呼ばれ、これに基づいてマーケティング戦略や販売促進戦略を立てることで、より多くの消費者にそのサービスや商品を選んでもらうように、最適なタイミングで商品のPRができるようになります。この記事では、いくつかある購買行動モデルの中でも特によく知られているものから最新のものまで、4つご紹介させていただきます。
①AIDMA(アイドマ)
AIDMAは、日本において長期間活用されている購買行動モデルのひとつで、セールスの基礎と言えるものです。
購買行動 |
消費者の状態 |
必要なアプローチ |
Attention(認知) |
商品を認知する |
広告などで消費者に商品を認知して頂く |
Interest(関心) |
商品に関心を持つ |
商品の魅力を消費者に訴求する |
Desire(欲求) |
商品を欲しくなる |
商品を購入すると満足が得られることを納得させる |
Memory(記憶) |
商品を記憶する (思い出す) |
DMや電話などでフォローする |
Action(行動) |
商品を購入する |
購買行動を起こすための働きかけをする |
②AISAS(アイサス)
インターネット普及後の代表的な購買行動モデルとして認知されています。
こちらでは消費者自身がサービスや商品についてインターネット検索をしたり、情報を拡散したりする動きをモデル化しています。
購買行動 |
消費者の状態 |
必要なアプローチ |
Attention(認知) |
商品を認知する |
広告などで消費者に商品を認知して頂く |
Interest(関心) |
商品に関心を持つ |
商品の魅力を消費者に訴求する |
Search(検索) |
商品をネットで検索する |
商品の情報をWebサイトで提供する |
Action(行動) |
商品を購入する |
購買行動を起こすための働きかけをする |
Share(共有) |
商品の情報をネットで共有する |
SNSなどで発信しやすい仕組みを作る |
③VISAS(ヴィサス)
SNSでの口コミや投稿での紹介、情報のシェアによって、消費者がサービスや商品を認知する可能性が広がります。単純に商品が欲しいということだけではなく、その商品を紹介している人物に共感、影響を受けて購買に至る行動モデルになります。
購買行動 |
消費者の状態 |
必要なアプローチ |
Viral(口コミ) |
消費者が、SNSを利用することで商品を認知す |
SNS上で消費者に商品を認知させる |
Influence(影響) |
消費者は口コミや投稿を発信した人物の影響を受ける |
SNS上で影響力をもつ人物から、商品の魅力を訴求してもら |
Sympathy(共感) |
口コミの発信者や理念に共感する |
SNS上で影響力をもつ人物から、商品の魅力を訴求してもら |
Action(行動) |
商品を購入する |
購買行動を起こすための働きかけをする |
Share(共有)
|
商品の情報をネットで共有する |
SNSなどで発信しやすい仕組みを作る |
④DECAX(デキャックス)
企業やインフルエンサーからの発信を受け取るのみではなく、消費者自らがWebメディアやニュースサイトなどから商品を「Discovery(発見)」することから始まる購買モデルです。
購買行動 |
消費者の状態 |
必要なアプローチ |
Discovery(発見) |
ネットのコンテンツで商品を発見する |
商品を発見してもらえるコンテンツを用意する |
Engage(関係構築) |
コンテンツをくり返し閲覧し、商品や企業との関係を深めていく |
くり返し連れられるだけの数の多様なコンテンツを用意する |
Check(確認) |
お金を払うに値する商品かを確認する |
商品へ自社への信頼性を高め、商品の詳細情報を提供できる仕組みを作る |
Action(行動) |
商品を購入する |
適切なタイミングで購入へ導く |
Experience(体験と経験) |
商品を体験し、その体験をネットで共有する |
SNSなどで発信しやすい仕組みを作る
|
まとめ
今回ご紹介した購買行動モデル以外にも、AIDA、SIPS、ULSSASなど様々なものがあります。
その時代に適した購買行動モデルを用い、より多くの消費者が必要とするタイミングで適切な商品のPRができるマーケティング戦略を立て、より良い顧客体験や購買体験の向上を目指す一助になればと思います。
なお、購買行動についてより具体的に可視化・分析にご興味ございましたら、こちらの資料も併せてご覧ください。
購買行動のうち、もっとも売上に近い状況の一つが、店舗内で商品を見ている瞬間です。
わずか数秒の間でも、消費者は棚の前でさまざまな思考をめぐらせ、購入する商品を検討します。
ここでもスマートフォンで情報収集をしながら、あるいはPOPや商品パッケージから情報を得たり、あるいは来店前に見た広告が影響を与えている場合もあります。
弊社では、店内での行動を解析するための「Store360 UX」「Store360 Insight」というサービスを提供しています。
エンドユーザーが持つスマートフォンを起点に小売店に設置したビーコンやWi-Fiセンサー、カメラを活用し、消費者の行動データ取得から解析までワンストップで行うことが可能です。
店内の行動を解析することは、購買行動をより理解するための大きなヒントになるため、ぜひマーケティング活動の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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