catch-img

店舗毎の売上向上につながる可能性を知る


目次[非表示]

  1. 1.様々な企業様とお話する中でよく聞く課題
  2. 2.実践したアクションの定量的評価は持つべき
  3. 3.KPIの語句と意味
  4. 4.例としてA店/B店の強み弱みをKPIで比較してみる

様々な企業様とお話する中でよく聞く課題

・店舗で実践しているアクションの効果測定をもっとしたい。また、必要性の理解を深めたい。
・様々な数値はとっているものの、マーケティング以外の部署で誰がどう活用できるのかイメージがつかない。もっと利活用したい。
などをよく伺います。

今回はそんな課題にも通ずる「店舗の分析(強み)はどこまで理解していますか?」「これらを知る重要性」という点に関してお話していきたいと思います。

実践したアクションの定量的評価は持つべき

日々店舗では、売上向上の為に接客やVMDの見直し、在庫や人材の確保などを行っていると思います。しかし上記項目に対してとる様々なアクションは、定量的評価を持てているでしょうか?
現場にいる接客業に強い人材は、定性分析力が高い傾向にあり、また持っているべきスキルだと思います。ただ、そこに根拠づける定量的な評価が加わる事でよりアクションの内容はブラッシュアップされ効果を発揮し売上向上への近道へとなると考えられます。

KPIの語句と意味

・Sales・・・売上
・TRZ・・・レジ通過人数
・AT・・・一人当たりの客単価
・UPT・・・一人が1会計あたり平均して何個の商品を購入しているか
・TRF・・・入店客数
・COV・・・購入率

同じブランドでも傾向はロケーションによって様々
それぞれの成功パターンを理解し店舗毎に把握できると強い

例としてA店/B店の強み弱みをKPIで比較してみる


A店
B店
SALES

50,0000

50,000

TRZ

33 

33

AT

15,000

14,500

UPT

2.5

2.4

そしてさらに上の表に2つのKPIを加えると評価はどう変化するでしょうか?


A店
B店
SALES
50,0000
50,000
TRZ
33 
33
AT
15,000
14,500
UPT
2.5
2.4
TRF

1,000

2,000

COV

3.3%

1.7%

下の図の場合、より具体的な強みと各店の可能性が見え、何に力を入れて取り組むべき道かが明確になります。

例えばA店、来店数はしばらく上がる傾向にありません。
となると、一つは既に他店より高い購買率をもっと上げるという戦略が考えられます。
例:購買率を3.3%→5%へ(客数+17件)=売上は50万→75万へ伸びる

一方で客単価の向上にも大きなチャンスがありそうです。
例:購入点数を2.5→3.0へ(客数はそのまま)=売上は50万→60万へ伸びる

仮に後者を選択した場合、次はどのような時に客単価が上がるのかを考えます。

例えば
・FRの使用数が多い時(提案しやすく複数点購入につながりやすい)
・枚数が欲しい実売期、上下コーディネート提案より、同じ物の色違い提案が複数点購入につながっている
・コーディネートを連想させる売り場設計
・スタイル別の売り場設計

ここではよりお客様のニーズをたくさん把握している事が大きな武器になり、接客業の強みの一つである定性的な観点が非常に重要です。

A店のこの場合、実施するアクションはすべて客単価(この場合は購入平均点数も含む)で評価し、効果検証をしてより行動をブラッシュアップしていくことで+10万の売上向上が期待できます。

どんな戦略が自店に取って有効か傾向を定性定量の両軸で把握する事で、目的に対し成果に結びつける武器になる。

全店共通であるブランディングを体現する事は前提に掲げながらも、各店の強みとまだ秘めている可能性を知っておくことで、戦略や必要な人材のスキルなどを組み立てる上で非常に大切です。

■関連記事

  店舗のオフィスワーク時間を短縮し、コア業務の時間を確保する 今回は限られた勤務時間の中で、「オフィス作業を軽減し接客や施策の検討時間などコア業務にリソースを投資したい」という方のヒントになればと、記事を作成いたしました。是非皆さんの現状と共に見比べて頂き、考えるきっかけにしていただければと思います。 Tangerine株式会社

■関連資料

  接客してもECで買われたら意味ない? ショールーミングの店舗と販売員の貢献を可視化 ECが台頭し約20年、実店舗の部門とデジタル/ECの部門の打ち上げ予算は別々に管理されることが当たり前になってきています。実際は『店舗で見てネットで買う』『ネットで見て店舗で買う』消費者がいるのは分かっているが、お互いのシナジーが可視化されていないため、店舗の販売スタッフはその場で購入させることに、EC担当者はECで購入させるように傾倒します。こういった課題が解決できる手段として『店頭接客後EC購入されても、どこの店舗の誰の接客の貢献があったか』を可視化する手段をご紹介します。 Tangerine株式会社