すぐに役立つ!優秀な顧客カルテとは?
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一人一人に合わせた顧客体験
昨今では、小売業、特にアパレル業界では予約制のパーソナルな接客や、それに近い個別サービスの提供などが非常に増えてきました。例として、個別でスタイリストサービスなどに申し込んでショッピングに同行してもらっている消費者の方々も、昨今非常に多く見受けられます。
1to1体験という言葉を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。顧客獲得の競争がが激しくなればなるほど、顧客体験の充実への注力が必要になっていきます。
このように、小売業ではお客様との深い関係構築が重要な中、多くの企業が一人一人に合わせた購買体験の提供ができるように接客サービスの改善やDX化、ツール導入、店舗施策などに邁進しています。その中で、店舗側では1to1体験の提供に伴い様々な課題が生まれています。
1to1体験の提供に関する代表的な3つの課題
ケース1:顧客情報を記録していないし覚えていない
前回来店時の接客と商品に非常に満足したとお客様が来店。 |
ケース2:顧客カルテの中身が不十分
いつも担当しているスタッフが休み。前回のカルテを確認したが、購入品しか書いていなく、その他パーソナルな内容の記載が全くない。関係構築を初めからしなくては行けない状況に陥り、何度も来店頂き、私自身何度も顔を合わせているものの、初歩的な質問をしなくてはいけない。 |
ケース3:相対するお客様の顧客カルテをすぐ出せない
会話も購入品もすべて覚えているのに、あれ?名前は○○様で本当にあっているかなと急に不安になる。カルテはあるはずだけど…名前が分からないのですぐに探し出せない。 |
会う度に関係性が深まるカルテを持つことが理想
理想的な関係構築は、相手を知ることと自分を知ってもらうための会話から始まります。またここで目指すのは会う度に関係性を深めていく事なので、毎回その場限りの会話を繰り返していては、理想的な関係構築、優秀な顧客カルテの作成はできません。
例えば再来店した美容院で
「今日はどうしましょうか?」から始まる会話より、「先日行くと言ってたイベントはどうでした?」から始まる会話の方が、お客様との距離がグッと 縮まります。
病院でも「今日はどうしましたか?」より「○○さん、前回気になると仰っていた右足の痛みは、その後はいかがですか?」と言われた方が患者側は気を楽にする事ができると思います。
ここでの共通点は前回の会話の続きをするということ。とはいえ、すべてを詳細に記憶していく事は不可能なので、顧客カルテが必要になるというわけです。
優秀な顧客カルテには商品に関係ない内容が書かれている
前段で「前回の会話の続き」というポイント記載しましたが、前回の会話の続きから接客をし始めるにはどのような顧客カルテが望ましいでしょうか。
以下に2つのカルテを用意しました。
顧客カルテ例①
名前(性別/年齢) |
Aさん 女性/30代 |
職業 |
OL |
好きなスタイル |
スカートやワンピース(明るい淡い色が好み) |
購入したもの |
ティアードワンピース、パフスリーブブラウス |
気になっているもの |
トレンチコート |
その他 |
腰回りを隠したい、骨格はストレート |
顧客カルテ例②
名前(性別/年齢) |
Aさん 女性/30代 、(一人暮らし、通勤はバスと電車 |
職業 |
OL(週3で外回りお客さんに会う、あとはPCデスク作業
|
好きなスタイル |
スカートやワンピース(腰回し隠したい)
|
購入したもの |
ティアードワンピース、パフスリーブブラウス
(週末に行く野球観戦用、靴はフラットシューズ、カジュアル過ぎない) |
気になっているもの |
トレンチコート(プライベート用)
|
その他 |
第一印象は落ち着いた印象だがお話好きの明るい性格。ヒールやパンプスばかりだがスニーカースタイルもいつか挑戦したいと思っている。週末は、ショッピングやお友達とランチに言って過ごす事が多い |
パターン2の方が、2回目の来店時の会話が盛り上がることが容易に想像できます。購入したものなどは、レシートのコピーを貼り付けておけば十分です。
重要なのはお客様の生活スタイルや趣味や考えている事を書き留めて置くことだというのが分かります。販売員に重要な雑談力や質問力でいかにヒヤリングできるかが鍵です。
従来の顧客管理と理想の顧客管理
せっかく顧客カルテがあるのに「探し出せない」は宝の持ち腐れです。
現在はWEB上の顧客カルテを利用している企業も増えてきましたが、未だ紙で管理している企業も多くあります。管理方法として多いのは、いわゆる「あいうえお順」。これを月別/来店頻度別/担当者別/会員番号別…などでさらに細かくしているところもあると思います。
しかし毎日何十人と会話している中、前回来てくれたのが何月だったか記憶をたどったり、名前を思い出したり、ふらっと寄ってくれたお客様にいきなり会員番号を聞く事などできない。いずれにしても記憶が曖昧な場合はハードルが高い管理方法です。
では例えば、来店したら自動的に会員番号を店舗側端末で把握できるとなるとどうでしょうか。その場合、会員番号でカルテを管理していれば、すぐに引き出す事ができるようになります。
まさに私がTangerine株式会社のStore360に関して一番初めに興味をもったのは「誰が来店したのかがわかる」という来店データに関してでした。メインで提案している活用方法以外にも、今回のこのような場合にも大いに応用でき、店舗内のタスクを減らしてお客様への接客時間やVMD、商品知識のキャッチアップに集中できるようになります。
店舗に人が立つ意味の1つである「接客」という武器を磨き、今利用している顧客カルテの中身を少し見直すだけで売上の向上が見込めるかもしれません。
↓顧客カルテのDXについての資料もございますのでご興味ある方は是非ご覧ください。↓